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民泊ビジネスを行う上で必要な保険の知識

By 中村 千尋 On 2016.09.02

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民泊は運営する立場としても、利用する立場としてもメリットが多いものですが、民泊運営者として考慮しておくべきリスクもあります。短期とはいえ、そこで他人が生活をするのですから、それによって起こり得るリスクを回避するために「備え」をしておくことはとても重要なことです。
民泊ビジネスをはじめる際には、多くのリスクから「民泊運営者としての自分自身」と「自身の不動産物件」などを守るための保険の利用を最初の段階で考えましょう。

本コラムでは代表的なリスクと、対応する保険の種類などについてご紹介します。

民泊保険でカバーすべきリスクとは?

民泊は自身の持っている建物を他人に短期間貸し出すサービスです。
自分の住宅を不特定多数の人が利用するにあたっては、その時々で利用している人の人となりもよく分かりませんし、思わぬ使い方をされたり建物を損なったりといった事態になることもあります。
また、他人が利用している時に起こった事態によって、その人や財産などが傷ついたりすることもあるかもしれません。そのため、民泊保険では自分の財産である住宅や設備を守る備えと、賠償に対する責任が必要となります。

民泊リスク事例1:火事が起きた場合

民泊として利用している住宅、建物が火事になるというケースは最初に考えておきたいリスクです。建物が火事になった場合には、火災保険の出番となります。火災保険がカバーしている範囲は、火事の他に落雷や風災・水災等の自然災害などが含まれます。
火災によって建物や設備が焼失するリスクはもちろんのこと、そこで利用者が怪我や死亡する可能性などをカバーできる保険が必要です。
また、こうした事態が発生した時には当然、民泊の運営にも支障が出ることが予想されますので、売上ダウンのリスクもあります。

民泊リスク事例2:事件や事故が起きた場合

民泊では運営者側が、事件や事故などが起きた場合の対応を迫られるケースもあります。
宿泊する部屋内での事故の他、建物の外で看板などが通行人にあたってしまう事故など思いもよらないケースも想定した保険が必要です。また、怪我などだけでなくサービス提供中に利用者の衣類や財産を汚損するなどアクシデントにも備えておく必要があります。

民泊保険への変更が必要な状況とは?

民泊のリスクには一般の住宅では起こらないリスクもあります。
一般の住宅の火災保険は保険の利用目的が違うので、保険を民泊事業に対応できる保険に、変えなければなりません。一般の住宅としての保険のままだと、いざという時に保険は使えません。そのため、保険を変更する際には、民泊の事業に対して本当に事故をカバーしてくれるかをしっかりと確認しておくことが大切です。

民泊保険の種類は?

民泊で利用できる保険の種類としては、従来の旅館業向けの保険があります。旅館賠償責任保険はホテルや旅館などの火災や事故などで賠償責任が生じた時にカバーできる保険です。
また、火災保険では事業用の「一般物件」用のものを選びます。一般住宅用の火災保険では、住居として使用していた部分のみカバーされて、民泊に利用していた部分がカバーされないことがあります。

民泊保険を利用できる条件とは?

民泊で旅館業向けの保険を利用できる旅館賠償責任保険は届出を行って許可を取っている場合に限られます。
それ以外は、一般物件の保険を組み合わせて保険を組み立てていかなければなりません。


保険はその商品によってそれぞれメリット・デメリット、いざという時にカバー出来るかどうかが違います。また、民泊での扱いは一般住宅とは大きく異なることに加え、民泊ビジネスに理解が深い保険代理店・保険会社は少ない状況です。
民泊保険を選ぶ際には、内容をよく見比べたり保険会社に問い合わせたりするなどして、運営者にとって適切な保険選びをしましょう。

執筆担当者

中村 千尋

中村 千尋

2級FP技能士/AFP シニアライフコンサルタント 宅地建物取引士

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